top of page


【現地ガイドが推す】最近おすすめのバロッサのワイナリー Part II
Eperosa(エペローサ)— バロッサの“現場主義”が生んだ静かな実力派 ワイナリーガイドをしていると、現地のスタッフたちと自然に顔見知りになっていきます。関係が深まるにつれ、通い慣れたワイナリーの裏話だけでなく、「今あそこが熱い」「面白い造り手がいる」といった、バロッサのコミュニティ内部ならではの情報も入ってくるようになります。 今回ご紹介するEperosa(エペローサ)は、まさにそうした現地の口コミから知り、実際に訪れてその実力に感動したワイナリーのひとつです。 6世代続くブドウ栽培家のDNAを持つ造り手 Eperosaのオーナー兼ワインメーカーであるBrett Grocke(ブレット・グロック)氏は、バロッサ・ヴァレーで6世代にわたりブドウ栽培を続けてきた家系に生まれました。 ワイナリーとブドウ農家は密接に関わっていますが、すべてのワイナリーが使用するブドウを自社で栽培しているわけではありません。反対に、ブドウ栽培の専門家として高品質な果実をワイナリーへ供給し、自らはワインを造らない優れた栽培家も数多く存在します。 ブレット氏は2001年

Natsumi Matsuda
8月10日読了時間: 6分


【現地ガイドが推す】最近おすすめのバロッサのワイナリー Part I
Alkina(アルキナ):バロッサの常識を静かに塗り替えるワイナリー ワイナリーガイドをしていると、よく聞かれる質問があります。 「最近おすすめのワイナリーはどこですか?」 バロッサにはRockford(ロックフォード)、Henschke(ヘンシュケ)、Yalumba(ヤルンバ)など、名門ワイナリーが数多くあり、1日かけても回りきれません。 ワイン好きのお客様の中には「2〜3日かけてバロッサを回りたい」というディープなリクエストも数多くあります。今回は、そうした方にまずおすすめしたいワイナリーをご紹介します。 バロッサといえば、一時期は「パワフルでジャムのように濃厚な果実味に、アメリカンオークを合わせたシラーズ」が代名詞でした。しかしここ数年、これまでのイメージとはまったく異なる動きが静かに、しかし確実に起きています。 今回ご紹介するAlkina(アルキナ)は、その象徴的な存在のひとつです。 アルゼンチン出身の富豪とテロワールの専門家が出会った場所 Alkinaの始まりは2015年。アルゼンチン出身の実業家であるAlejandro...

Natsumi Matsuda
6月15日読了時間: 4分


【番外編・ロードトリップ記】念願のCoober Pedy(クーバーペディ)へ行ってきた②
■ 3日目:ここは火星かマッドマックスか。地下に潜むSFの世界 この日は丸一日、Coober Pedyの市内を観光しました。 街の大部分が地下に隠れているため、地上から見るとその全貌がまったく掴めません。地上を見渡せば、錆びついたトラックや無骨な採掘機械が点在する、さながら映画『マッドマックス』の世界(実際にロケ地)。「ここは火星です」と言われても誰も疑わないような、SFチックな景色が広がっています。 まずは「Old Timers Mine」を訪れ、この街の根幹であるオパール採掘の歴史を見学しました。1900年代初期から現在に至るまでの過酷な採掘方法や、当時の地下生活の様子が学べる場所です。 今でも街の主産業はオパールですが、近年の燃料高騰などで採算はかなり厳しいとのこと。「一攫千金を夢見てやってきて、夢破れて去る人が大多数」というガイドさんの言葉が胸に響きます。それでも世界50カ国以上から多様な人々が集まる、国際的な採掘の街です。 ■ 子どもより大人がガチになる?「人間スキャナー」爆誕のオパール掘り 午後は、一般に開放されている公共の採掘エリア

Natsumi Matsuda
6月14日読了時間: 5分


【番外編・ロードトリップ記】念願のCoober Pedy(クーバーペディ)へ行ってきた①
ワイン好きが高じてワイナリーツアー会社を始めた私ですが、実は学生時代にはバックパッカーとして世界を旅し、オーストラリア移住後も各地を車で巡ってきた、生粋の旅好きでもあります。 今回はいつものワインブログとは少し趣向を変えて、先日家族で訪れた「Coober Pedy(クーバーペディ)」へのロードトリップ紀行をシェアさせてください。 地下の洞窟に人々が暮らす街として知られるCoober Pedy。日本でもメディアで取り上げられることが多いので、ご存じの方もいるかもしれません。 6月のオーストラリアは観光のオフシーズン。私のワイナリーツアーも例年この時期は落ち着いており(5月はGWのおかげで最高売上を記録しました。ありがとうございます!)、去年の経験から「旅行するなら今しかない」と決めていました。3連休に合わせ、約4ヶ月前から綿密に計画。今回は金曜日もお休みをいただき、木曜の夜から出発するスケジュールです。 1日目:アデレード → Port Augusta泊 まずはアデレードから車を約3時間走らせ、中継地であるPort Augusta(ポートオーガスタ

Natsumi Matsuda
6月12日読了時間: 4分


ワイナリー巡りがもっと楽しくなる!Langton’s格付け入門
ワイナリーやワインショップで、「Langton's Classification(ラングトンズ・クラシフィケーション)」のポスターを目にしたことはありませんか?そこには、オーストラリアを代表するプレミアムワインのラベルがずらりと並んでいます。 Langton’s Classificationとは? Langton's Classificationは、オーストラリアのワインオークションハウス Langton's が発表する格付けリストで、ワイン業界ではひとつの“指標”として広く知られています。1990年に初めて発表されて以降、数年ごとに更新されており、主観的な評価ではなく、オークション市場での実際の取引実績に基づいて選出されるのが大きな特徴です。 2023年に発表された第8版では、上位カテゴリーである "1st Classified" と "Classified" の2段階に整理され、合計100本のワインが掲載されました。市場の需要や価格の動向が反映されるため、フランス・ボルドーのような固定的な格付けとは異なり、現代的かつ流動性のある評価として注目

Natsumi Matsuda
2025年6月18日読了時間: 4分


古いワイナリーで見かける煙突とトゥニーワインとの関係
ペンフォールズをはじめとする歴史あるワイナリーを訪れると、年季の入ったレンガ造りの煙突を見かけることがあります。「ワインは醸造酒なのに、なぜ煙突が?」と不思議に思った方もいるのではないでしょうか。 その答えは、現在でもワイナリーでよく見かける甘口の赤茶色いワイン——Tawny(トゥニー)にあります。 試飲の最後に勧められることが多いトゥニー。「甘そう」「重たそう」と敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、実はこのスタイルこそがオーストラリアワインの歴史を語るうえで欠かせない存在なのです。甘口ながらも長期熟成による酸化香やスパイスのニュアンスが加わり、ただ甘いだけではない奥深さを持っています。 オーストラリアワインの基盤を築いた酒精強化スタイル 現在こそスティルワイン(非発泡・非酒精強化ワイン)が主流のオーストラリアですが、1960年代までは国内ワイン生産量の約8割を酒精強化ワインが占めていました。 酒精強化ワインとは、発酵途中に蒸留酒(主にグレープスピリッツ)を加えてアルコール度数を高めたスタイルのワインです。特に甘口タイプでは、糖分がまだ十分に

Natsumi Matsuda
2025年4月2日読了時間: 4分


今更聞けないフィロキセラと古木ワインの話
バロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルのワイナリー巡りをしていると、「オールド・ヴァイン(古木)」という言葉を目にしたことはありませんか?南オーストラリア州には世界有数の古木ブドウ畑が広がっていますが、なぜこれほど古い木が残っているのかご存知でしょうか?その背景には、ワ...

Natsumi Matsuda
2025年2月15日読了時間: 5分


夏の風物詩:オーストラリアで愛されるスパークリング・シラーズの魅力
夏時間が始まり、ジャカランダの花が咲き誇ると、オーストラリアは一気に春から夏に突入します。筆者もオーストラリアに来て最初の数年は、夏の年末年始に違和感を覚えていましたが、今では真夏のクリスマスと新年にすっかり慣れてしまいました。寒い日本のお正月も懐かしい気持ちはありますが、...

Natsumi Matsuda
2024年12月3日読了時間: 6分


クナワラ(Coonawara)ーカベルネ・ソーヴィニョンの銘醸地を巡る旅
アデレード周辺のワイン産地を紹介した際にクナワラ(Coonawarra)を取り上げなかったため、「あれ、クナワラは?」と思った方もいるかもしれません。今回は、南オーストラリアを代表するワイン産地であるクナワラをじっくりご紹介します。...

Natsumi Matsuda
2024年10月24日読了時間: 4分


ペンフォールズの伝説:マギル・エステートで味わうオーストラリアワインの歴史と魅力
今回ご紹介するのは、オーストラリアワインの象徴とも言える「ペンフォールズ・マギル・エステート」(Penfolds Magill Estate) です。アデレード CBD から車でわずか15分。街並みを見下ろす高級住宅街に広がるブドウ畑とセラードアは、まるで別世界に足を踏み入...

Natsumi Matsuda
2024年9月25日読了時間: 5分


アデレード周辺のワイン産地
南オーストラリア州の首都アデレードは、世界的にも名高いワイン産地に囲まれた都市です。バロッサ・バレー(Barossa Valley)、マクラーレン・ヴェイル(McLaren Vale)、アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)といった産地は、それぞれ独自のテロワールを持ち、魅力的なワインを生み出しています。バロッサから少し北に足を伸ばせば、イーデン・バレー(Eden Valley)とクレア・バレー(Clare Valley)も広がっています。これらの地域は、アデレードから日帰りで訪れることができ、オーストラリアのワインを世界に広めた立役者としても知られています。 バロッサ・バレー(Barossa Valley):シラーズの聖地 バロッサ・バレーは、オーストラリアで最も有名なワイン産地のひとつであり、特にシラーズ(フランスでは「シラー」と呼ばれる品種)で世界的に知られています。シラーはフランスのローヌ(Rhône)地方で栽培されることで有名ですが、バロッサのシラーズは、よりリッチでフルボディなスタイルが特徴です。 有名なワイナリー...

Natsumi Matsuda
2024年9月6日読了時間: 5分
bottom of page
