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バロッサ・バレーおすすめワイナリー10選|現地JSAワインエキスパートが選ぶ

執筆者の写真: Natsumi Matsuda
Natsumi Matsuda
9月17日
読了時間: 11分

更新日:9月22日


「バロッサ・バレーで、おすすめのワイナリーはどこですか?」

ツアーのお客様からよく聞かれる質問です。

でも、実は答えるのが難しい質問でもあります。

歴史ある名門へ行きたいのか、小規模生産者を訪ねたいのか。王道のBarossa Shirazを飲みたいのか、古樹に興味があるのか。初めてワイナリーを訪れる方なのか、かなりワインを飲み込んでいる方なのか。

それによって、おすすめする場所は全く違います。

私はアデレードを拠点に、JSA認定ワインエキスパートとして日本からのお客様を南オーストラリアのワイナリーへご案内しています。

ツアーで大切にしているのは、単に「有名ワイナリーを何軒回ったか」ではありません。

歴史を見る場所、古樹を見る場所、造り手の違いを比較する場所、景色を楽しむ場所、そしてゆっくりランチをする場所。

それぞれ違うバロッサを体験できるように、一日のルートを組み立てています。

今回は、実際にお客様をご案内している私の目線から、バロッサ・バレーでおすすめしたいワイナリー10軒をご紹介します。

1. Henschke(ヘンチキ)|Hill of Graceを生むオーストラリア屈指の名門

Henschke(ヘンチキ)の石造りのセラードア入口

本格的なワイン好きのお客様から「南オーストラリアまで来たので、本当に特別なワイナリーへ行きたい」と言われた時、まず候補になるのがHenschkeです。

1868年から続く家族経営のワイナリーで、代表するワインがHill of Grace Shiraz。

Hill of Graceの畑には1860年頃に植えられた「Grandfathers」と呼ばれるShirazの古樹が今も残り、オーストラリア最高峰の高級ワインのひとつを生み出しています。

HenschkeのCellar DoorはBarossa Valley中心部ではなく、Eden ValleyのKeynetonにあります。

そのためWine Joyでは通常のグループツアーには組み込まず、Henschkeを目的のひとつにしたプライベートツアーとしてご案内しています。

Hill of Grace Vineyardにも興味がある方は、ご予約時にぜひお知らせください。訪問可能な体験や予約状況を確認しながら行程を組みます。

こんな方におすすめ: 本格的なワイン愛好家、Hill of Graceを知っている方、古樹や単一畑に興味がある方。

2. Yalumba(ヤルンバ)|美しい庭と時計塔、そして自社樽工場

Yalumba(ヤルンバ)の時計塔と歴史的な建物、美しい庭

初めてバロッサを訪れる方に、ぜひ見てほしいのがYalumbaです。

1849年創業。AngastonにあるEstateへ入ると、時計塔のある歴史的な建物と美しい庭が迎えてくれます。

そしてYalumbaを特別にしているのが、現在も稼働している自社の樽工場(Cooperage)。

南半球で、ワイナリー内に稼働する自社Cooperageを持つ唯一のワイナリーです。

樽工場が見られる時には、Wine Joyでもできるだけお客様をご案内しています。葡萄からワインになる過程だけでなく、そのワインを熟成する「樽が造られるところ」まで見られるのは貴重な体験です。

そして、とにかく庭が美しい。

夏には庭の木に野生のフクロウがやって来ることもあります。

Wine JoyのHahndorfとBarossaを巡るグループツアーでは、HahndorfからBarossaへ入り、最初のワイナリーとしてYalumbaを訪れることがあります。

歴史、建物、庭、樽工場、そしてワイン。

Yalumbaは、テイスティングだけではなく場所そのものを体験してほしいワイナリーです。

こんな方におすすめ: 初めてバロッサを訪れる方、歴史や建築が好きな方、ワイン造りに興味がある方。

3. Rockford Wines(ロックフォード)|古き良きバロッサを今に残す

Rockford(ロックフォード)のFrugal Farmerのボトル

Rockfordを訪れると、「昔のBarossaはこんな場所だったのかな」と感じます。

1971年にRobert O'Callaghanが設立。ワイン産業が大型化・近代化していく中で、Rockfordが大切にしたのは、昔ながらのBarossaのワイン造りでした。

古い石造りの建物や伝統的な醸造設備は、展示物ではありません。

今も実際のワイン造りに使われています。

代表的なワインはBasket Press Shiraz。そしてオーストラリアらしいワイン文化を体験するなら、Sparkling ShirazのBlack Shirazも面白い一本です。

Rockfordは、多くのワインメーカーが経験を積んできた場所としても知られています。

古い設備を保存するだけではなく、Barossaのワイン造りそのものを次世代へつないでいる場所。

Wine Joyでも、現在はBarossaのグループツアーで基本的に訪れる定番ワイナリーのひとつです。

こんな方におすすめ: Barossa Shiraz好き、昔ながらのワイン造りを見たい方、Basket Press ShirazやSparkling Shirazを試したい方。

4. Torbreck(トルブレック)|ワイン好きなら外せないBarossa Shiraz

Torbreck(トルブレック)のモダンなセラードア

「観光より、とにかくワインを飲みたい」

そんな方にはTorbreck。

1990年代に誕生した比較的新しい生産者ですが、その後国際的に高い評価を受け、Barossa Shirazを世界に印象づけたワイナリーのひとつです。

面白いのは、Barossaの古樹とフランス・Rhôneの思想を組み合わせていること。

Shirazを中心にGrenache、MourvèdreなどRhône系品種を使い、Barossaの豊かな果実を複雑で奥行きのあるスタイルへ仕上げています。

Wine Joyでは、Hahndorfなどの観光を組み合わせる日より、「ワイナリーをとことん巡るバロッサツアー」で訪れることが多い場所です。

Barossa Shirazをしっかり飲みたい方には、ぜひ候補に入れてほしい一軒です。

こんな方におすすめ: Shiraz/Syrah好き、Rhôneワイン好き、古樹やテロワールに興味がある方。

5. Seppeltsfield(セッペルツフィールド)|100年熟成のTawnyとバロッサの歴史

Seppeltsfieldへ向かう時、まず見てほしいのがEstateへ続く美しいヤシ並木。

1929年から植えられ、現在ではSeppeltsfieldを象徴する風景になっています。

そして、ここで知ってほしいのが100 Year Old Para Vintage Tawnyです。

1878年、Benno Seppeltはその年の優れたワインを樽に入れ、100年間瓶詰めしないことを決めました。

それが毎年続けられ、Centennial Cellarには1878年から続くヴィンテージが保存されています。

最初にワインを造った人は、完成した100年熟成のワインを飲むことができない。

何世代もの人たちが樽を守り、100年後の人へ渡していく。

ここではぜひTawnyを飲んで、Barossaの「時間」そのものを味わってほしいと思います。

Wine JoyのBarossaグループツアーでは、現在ほぼすべてのルートで一日の最後に立ち寄る場所になっています。

最後のテイスティングを楽しみながら、日本へ持ち帰るワインやお土産を選ぶのにもぴったりです。

こんな方におすすめ: Barossaの歴史を知りたい方、Tawnyや熟成ワインが好きな方、お土産やワインをゆっくり選びたい方。

6. Lambert Estate(ランバート・エステート)|葡萄畑に囲まれてランチ

葡萄畑に囲まれたLambert Estate(ランバート・エステート)の空撮

ワインだけではなく、景色と食事まで楽しみたい方におすすめなのがLambert Estateです。

広大な葡萄畑の中にワイナリー、Cellar Door、レストランがあり、周囲を見渡すと一面の葡萄畑。

運が良ければ、葡萄畑の中に野生のカンガルーを見つけることもあります。

Lambert Estateは、アメリカからBarossaに魅せられたLambert家がこの土地に根を下ろし、家族で造り上げてきたEstate。

そしてWine Joyで利用する大きな理由が、ワイナリー内にしっかりしたレストランがあることです。

一日ワイナリーを巡る時は、どこでランチを入れるかも実は大切。

Wine Joyでもグループツアーのランチ先として利用しています。

葡萄畑を眺めながら食事をして、カンガルーを探す。

ワイナリーを何軒回ったかではなく、Barossaにいる時間そのものを楽しめる場所です。

こんな方におすすめ: ワインと食事を楽しみたい方、葡萄畑の景色が好きな方、ゆったり過ごしたい方。

7. Artisans of Barossa(アーティザンズ・オブ・バロッサ)|小規模生産者を一ヶ所で比較


ワインをある程度飲んでいる方とのプライベートツアーで、私がよく利用するのがArtisans of Barossaです。

参加する生産者のひとつがJohn Duval Wines。

John DuvalはPenfoldsで長年ワイン造りに携わり、Chief WinemakerとしてGrangeをはじめとするワインを率いた、オーストラリアを代表するワインメーカーの一人です。

Artisans of Barossaには現在、John Duval Winesを含む7つの小規模生産者が集まり、100種類以上のBarossaワインを紹介しています。

ここの面白さは、一ヶ所で複数の造り手を比較できること。

同じBarossaのShirazでも、造り手が違えばスタイルは驚くほど違います。

さらに併設されているレストランEssenも魅力。

Wine Joyではプライベートツアーのお客様と、Artisansでテイスティングをして、そのままEssenでランチという組み合わせをよく使います。

こんな方におすすめ: John DuvalやPenfoldsが好きな方、小規模生産者を比較したい方、テイスティングとランチをゆっくり楽しみたい方。

8. Hentley Farm(ヘントリー・ファーム)|予約が取りにくい人気レストランと上質なShiraz

Barossaで「ワインだけでなく、特別な食事も楽しみたい」という方におすすめしたいのがHentley Farmです。

Seppeltsfieldの西側にある葡萄畑に囲まれたワイナリーで、Cellar Doorには1840年代に建てられた歴史あるコテージが使われています。

代表的なワインは、単一畑のShirazから造られるThe BeastやClos Otto。

力強さだけでなく、畑ごとの個性や複雑さを感じられるワインで、Barossa Shirazをじっくり飲みたい方にもおすすめです。

Hentley Farmのテイスティングは、カウンターで数種類を飲んですぐに次へ向かうようなスタイルではありません。

ナッツやパンなどの本格的なおつまみと合わせながら、席に座って約90分かけてゆっくりワインを味わいます。

予約時間やテイスティング後の買い物なども考えると、ここを訪れる場合は2時間ほど見ておくと安心です。

そしてHentley Farmを特別な目的地にしているのが、予約が取りにくいことで知られる人気レストラン。

季節の食材を使ったコース料理にHentley Farmのワインを合わせる、Barossaを代表するダイニング体験のひとつです。

気軽なランチというより、レストランでの食事そのものを一日の目的にして、時間をかけて楽しみたい場所。希望する場合は、旅行の日程が決まった段階で早めに予約することをおすすめします。

Cellar Doorでのテイスティングも予約制なので、Wine Joyでご案内する場合は、レストランやテイスティングの空き状況を確認しながら、一日のルートを組み立てます。

こんな方におすすめ: 上質なBarossa Shirazをゆっくり味わいたい方、ワインと料理のペアリングを楽しみたい方、特別なランチやテイスティングを旅の目的にしたい方。

9. Langmeil Winery(ラングメール)|1843年植樹とされるShirazを目の前で

古いShirazの樹を実際に見たい方にはLangmeil。

最大の見どころがThe Freedom 1843 Shirazです。

1843年に植えられたとされる、世界最古級の現存するShirazの畑。

180年以上という時間を生きてきた葡萄の樹が、今もワインを生み出しています。

以前Wine JoyでLangmeilをご希望のお客様をご案内した時には、The Freedom Shirazをグラスに注いでもらい、そのまま実際の古樹を見に行きました。

その樹から採れた葡萄で造られたワインを飲みながら、その葡萄の樹を見る。

これは本当に印象に残る体験です。

ただし、普通にCellar Doorを訪れるだけでは通常のテイスティングになる場合があります。

古樹を見たい方は、事前に「The Freedomの古樹を見学したい」と希望を伝えるのがポイント。

Wine Joyのプライベートツアーでも、ご希望があれば事前にワイナリーへ確認して行程を組みます。

こんな方におすすめ: Shiraz好き、古樹に興味がある方、JSAワインエキスパートを勉強した方、畑まで含めてワインを体験したい方。

10. Saltram(サルトラム)|歴史あるBarossa Shirazとランチ

Saltram(サルトラム)のレストランで楽しむワインとランチ

最近Wine Joyでグループツアーのランチ先としてよく利用しているのがSaltramです。

1859年創業の歴史あるワイナリー。

代表するワインはNo.1 Shirazです。

この名前の歴史は古く、1862年にSaltramが最初に造ったワインも「No.1 Shiraz」と呼ばれていました。

王道のBarossa Shirazを飲みたい方には、ぜひ試してほしい一本です。

一方、最近注目したいのがSemillon。

2025 Winemaker's Selection Semillonは樹齢100年以上の畑から造られ、2025 Barossa Wine ShowでBest Semillon of Showを受賞しています。

酒精強化ワインが好きなら、平均21年以上熟成されるMr Pickwick's Particular Tawnyもぜひ。

Shiraz、Semillon、Tawnyと、Barossaのいろいろな表情を一ヶ所で楽しめます。

そしてWine Joyで最近Saltramをよく利用するもうひとつの理由がランチです。

グループのお客様向けにランチプラッターを用意していただき、ここで食事をしてから午後のワイナリーへ向かうことがあります。

一日ワイナリーを巡る時には「どこでちゃんと食べるか」も大切。

歴史あるワイナリーでテイスティングとランチを一緒に楽しめる、グループツアーにも使いやすい一軒です。



10軒紹介しましたが、もちろん一日で10軒回ることはおすすめしません。

私なら3〜4軒。

大切なのは数ではなく、違うタイプのワイナリーを組み合わせることです。

初めてのバロッサなら

Yalumba → Lambert EstateまたはSaltramでランチ → Rockford → Seppeltsfield

美しいEstateから始まり、ランチ、昔ながらのBarossa、最後はSeppeltsfieldで歴史とお土産選び。

とにかくバロッサワインを飲みたいなら

Hentley Farm → Artisans of Barossa → Torbreck → Rockford古樹、造り手、Shirazのスタイルの違いをじっくり比較します。

古樹とバロッサの歴史を楽しむなら

Langmeil → Rockford → Seppeltsfield1843年植樹とされるShirazから、100年熟成のTawnyまで。

「なぜBarossaの古樹が特別なのか」を体験するには面白い組み合わせです。

ワインを目的に旅するなら

Henschkeを中心にしたプライベートツアー

HenschkeはEden Valleyにあるため、Barossa中心部のワイナリーを無理に詰め込むより、ワインの好みに合わせて一日を設計するのがおすすめです。

自分に合ったバロッサ・ワイナリーツアーを

Barossaには、今回紹介した10軒以外にも素晴らしいワイナリーがたくさんあります。

だから、有名なワイナリーをできるだけ多く回るより、

何を飲みたいのか。何を見たいのか。Barossaでどんな一日を過ごしたいのか。

そこから訪問先を選ぶ方が、私は楽しいと思っています。

Wine Joyでは、初めてBarossaを訪れる方向けの日本語グループツアーから、「このワインを飲みたい」「この古樹を見たい」というワイン好きの方向けのプライベートツアーまでご案内しています。

どのワイナリーを選べばいいか分からなくても大丈夫です。

好きなワインや品種、行ってみたいワイナリーがあれば教えてください。そこからBarossaの一日を組み立てます。

 
 
 

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